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2007年12月 8日 (土)

「全国子育て協同集会」に少しだけ参加してきました

 市民による子育ての“協同”をテーマとした「第1回全国子育て協同集会」というイベントを少しだけのぞいてきました(副題は『「生きづらさ」を超えて―競争から、共感・協同の子育てを市民の手に―』)。一体どんなイベントなのか、その開催のお知らせとして、次のような文章が載っていました。
子どもへの虐待件数の増加や、いじめを背景とした中学生の不登校が12万人を超え、過去最高となるなど、子どもたちをめぐる深刻な状況が広がっています。このような事態を前に、多くの子ども、親、自治体、市民が、子どもを中心としたまちづくりに向けたネットワークを広げ始めています。こういった現状を背景に、このたび市民による子育ての“協同”をテーマとした第1回の「全国子育て協同集会」を開催する運びとなりました」。
 主催は実行委員会の形をとっていますが、実態は「ワーカーズコープ」というNPO法人です。そして、ワーカーズコープとは、そのHPを見ると、
私たちは子育て、障害者・高齢者福祉などの地域に必要な事業を市民でおこす、「新しい福祉社会の創造と地域の再生」を目指すNPOです。全国的なネットワークと様々な分野での事業に携わりながら、働く人の主体的な参加に重きをおく協同組合的な組織運営をしています」。
と説明されています。その母体は「ワーカーズコープ労協センター事業団」という企業組合であり、高齢者、子ども、障害者、まちづくりに関わる様々な地域密着事業などに活動の幅を広げていくため、NPO法人を取得した、ということのようです(詳しくは分かりませんが)。
 平成19年10月6日の全体会は、第一部が記念講演、第二部がパネルディスカッション、第三部に記念イベント(コンサート、ミュージカル)という構成で、翌日に分科会が行われました。私は、6日の午後に所用があったので、第一部の記念講演だけを聞きました。
 講師は大和久勝(おおわく・まさる)さん。2005年まで都内の小学校教諭をされており、現在は大学講師、という方ですが、「共感力-『共感』が育てる子どもの自立」「困った子は困っている子」「ADHDの子どもと生きる教室」などの著書があります。記念講演のテーマは「『共感』が育てる子どもの自立~あせらず、あきらめず、ゆっくり、ていねいに~」であり、2時間かけて「ゆっくり、ていねいに」お話をされました。
 最初に、2つの手紙を紹介してくれました。一つは、1998年、中学生が女性教諭をナイフで刺殺するという衝撃的な事件が起きたあと、当時の町村文部大臣が全国の中学生あてに書いた手紙で、文部公報に載ったそうです。私もそんなことがあったような記憶があります。大和久氏は、この手紙が「上から見下ろすような視線で書かれており、共感する言葉が見当たらなかった。自分の中になぜか落ちてこなかった」と感想を述べていらっしゃいました。もう一つの手紙は、群馬県の中学生が、喫煙を咎められたことを苦にして自殺する際に書いた手紙です。自分がしたことでまわりのみんなに迷惑を掛けたことを謝り、これまでの友情に感謝し、自殺という手段を選ばざるを得ない心境とまわりへの気遣いを素直に綴ったものだそうです。2つの手紙の対比が、多くのことを物語っていますね。
 そのあと、3つの具体的な話が紹介されました。カズオ、ナオキ、カイダくんという3人の子どもが出てくる実話、のようです。
 大和久さんの話のキーワードは「共感」です。子どもに共感するということは、子どもの心に寄り添うこと。大人から見ると「困った子」であっても、本人の立場に立てば「困っている子」だと見ることもできる。子どもたちは、分かってもらえない、理解してもらえない苦しみ、つらさを抱えて過ごしているのであり、暴力をしたり、切れたり、パニックを起こしたりするのは、「困っている」ことの訴え、叫びなのだと理解すべきだ、と訴えます。そういう「子ども観」の転換をした経験を語ってくれました。また、ADHDやLD、高機能自閉、アスペルガーなどの「軽度発達障害」の子どもを抱えた親に対しても、今までの子育ての苦労と今でも続く困難さに共感を示すことの重要性を語ってくれました。
 世の中、成果主義、効率第一の価値観が支配的であり、大人も子どもも余裕がありませんね。価値観が揺らいでいることや、経済成長が順調ではないことも影響しているかもしれません。そのしわ寄せはどうしても「弱者」に行ってしまいます。教育の世界では「子ども」です。
 私も、二人の子育てを経験し、父親としては比較的参加した方かな?と思っていますが、幸か不幸かこのような困難に直面しなかったこともあり、あまり深く考えたことがありませんでした。
 盛りだくさんの催し物の、ほんの一部しか参加できませんでしたが、非常に熱心なお母様方の中に紛れて、貴重な話をじっくりと聞くことができました。主催者側も参加者も、皆さん熱意に溢れているようで、頼もしいやら、たじろぐやら、恐れ入りました、という感じでした。
 すぐ何に活かすというわけではありませんが、また少し視野が広くなったような気がする、いい経験でした。

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