町田市ごみゼロ市民会議が「報告書」を取りまとめました
町田市が設置した「町田市ごみゼロ市民会議」では、公募で参加した市民百数十人が熱心な議論を重ね、「ごみゼロに向けたごみの減量・資源化の方策」についての検討を重ねました。参加した市民委員は総勢134名にものぼり、会議は平成18年10月から十数回も開催されました。
私がこの市民会議のことを知ったのは平成19年夏のことで、8月25日の第12回市民会議を初めて傍聴し、その熱意溢れる議論に感激した模様をこのブログでも以前、ご報告しています。
http://suguri-tsu.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/index.html
その8月の全体会議で、本来なら報告書を取りまとめて終わるはずだったようですが、市民会議の主要な活動の一つである「生ゴミ処理の実証実験」が遅れたため、11月17日に最終報告会が再セットされたのでした。これは逃すわけにいかない!ということで、11月17日の会議を傍聴してきました(この日は、魅力的なセミナーやイベントが5つ6つ重なり、もったいなかったですが、どれよりもこの町田市ごみゼロ市民会議の最終回を最優先して傍聴してきました)。
もめる?要素の実証実験も既に無事終わっていたので、この日は各部会・チームから報告が行われ、報告書を全体会で了承し、市長に手交するというシナリオとなっていました。
前半の第1部は「全体会」です。まず事務局からの報告ということで、代表から「平成18年10月7日に発足し、1年間活動してきたが、130名の市民と5名のアドバイザーが熱心に取り組んできた。行政の協力にも感謝。市長が掲げた理念に基づき、13のグループを立ち上げ、1年間で延べ80回の会合を開催した。6項目の提言をまとめることができた。個性や主張がぶつかり合い、合意に時間がかかったが、次第に共通の認識を持つようになった。持続性には、主張と譲歩のバランスが必要なことを学んだ。」という話がありました。このスピーチには、市民会議の活動結果がわかりやすくコンパクトに表現されているように感じました。
編集会議からは、会報である「ごみゼロの風」第4号の発行計画について、「座談会を実施し、その結果を掲載したい。12月21日号として発行したい」という説明がありました。この日は、資料が未完成だったため、委員にだけ配布ということで、我々傍聴人には頂けませんでした。後日、HPにアップするそうです。報告を了承して、全体会は終わりました。
後半は「報告会」と称して、市長も出席しました。まず、部会長・分科会長がそれぞれの活動成果を報告しましたが、その部会・分科会の報告を幾つか紹介します。
○生ゴミ部会長の報告
部会メンバーの情熱はすごいエネルギーだった。実験への参加をお願いした集合住宅では30~50世帯がOKしてくれなかった。今の生ゴミ処理に不都合を感じていないからだろう。ここにいる人は非常に意識が高いが、全市民となるとそういうわけではない。我々は反古にされてきた歴史を持っている。この提言・報告が反古にならないように!
○家庭での生ごみ堆肥化普及・啓発推進分科会の報告
生ゴミ堆肥化の難しさと大切さを痛感した。会場にいる人で、家庭で生ゴミ処理をしている人は?(あれ、市長さんは!?(会場笑))。私たちがいくら頑張っても、関心を持たない人がいるんです!70歳以上のゴミ袋無料配布をやめて下さい、市長!
○地域一括による戸建て家庭での生ゴミ処理・回収回数減実験分科会の報告
510世帯に協力してもらった(電動が506世帯、堆肥容器が6世帯)。56日間、実験を行い、アンケートを実施したが、アンケートは100%回収した。100%回収なんて、皆さんの熱意はすごいと思う。実験に参加した世帯の93%が実験を続けたいと言っている。取り組みが家庭全体に広がりつつある。
この実験は計画より3ヶ月遅れたが、誰がサボったわけではなく、組織が悪かったんだと思う。
○地域一括による集合住宅での生ごみ処理・回収回数減実験分科会の報告
集合住宅での実験は、棟単位に1台置き、ごみはいつでも入れられることとし、1週間に1度、一次生成分を処分する。生ごみが分別されると乾いたごみだけになり、週1回の回収で済むようになる。こういうことが可能かどうか検証した。
参加団地を募集して1ヶ月は応募がなかった(問い合わせは数件あり、説明会に何回も行ったが、合意形成に至らなかった)が、ようやく小山田団地の賃貸住宅棟が参加してくれることになった。
参加住棟が決まると次は家主との折衝。結局、ゴミステーションごとに6台置くこととなった。11/1にそれが決まってからの製作発注なので、実証実験はずいぶん先になってしまう。
このような取り組みから分かってきたこととしては、現在の「燃やすゴミ処理方法」に市民が慣れきっていて、手間がかからないため、面倒なことはやめておくべきという声が多く、合意が得られなかった。市への提案だが、危機意識が薄い状況では、市が積極的に動くことが大事である。
○廃プラスチック部会からの報告
全般的に、プラスチックへの関心が低かった。例えば、プラスチックごみ専門のアドバイザーがメンバーに入っていないし、市の予算も生ごみばかりだ。
○排出抑制の実験研究分科会
私たち市民ができるところからやろう!が結論。ごみになるものをなるべく買わない、もらわない。その象徴がレジ袋。意思表示カードも作った。小学生42%が行動した。ポスターも作った。しかし、市を挙げて、というものがないと盛り上げにくい。
資源回収ボックスにいろんなものを入れてしまうと資源にならない。つまり、市民のモラルが大事。回収業者も、市から頼まれてイヤイヤやっている。三者協議会をやって、レジ袋の有料化に取り組んでいきたい。
このような部会・分科会からの報告のあと、報告書が市長に手渡されました。そして、石坂市長の挨拶です。
「この市民会議は、当初50人を募集したが、120人くらい応募があり、事務局は抽選にしようと言ったが、全員参加にしてもらった。「行動する市民会議」だから、人数は多い方が便利。私が提唱する4つの都市像のうち、「環境先進都市」「市民協働都市」の象徴である。体で表現し、言葉で表現するのがこの市民会議。委員が行動するだけでなく、委員以外の市民に動いてもらえるかどうかがポイントだと思う。この取り組み、成果をとぎれさせないよう取り組む決意である。」
参加者が熱く見守るなかの挨拶だったわけですが、大切な喋りだしが声が小さく暗かったし、堅くて小難しい内容だったし、手元の資料を見すぎていたのは、余計なお世話ですが、マイナスだったなあと感じました。横浜市の職員出身だからか、役人的な雰囲気が残っている印象がしました。また、せっかくいいことを言ってるのに、その大事なことが埋没してしまっていたので、もう少し、言葉を厳選した方がよかったとも感じました。
最後に出席したアドバイザーからのコメントがありました。その中の一人、NPO地域総合研究所顧問の森戸哲氏がこんなことを言われました。
「役所は書いてあることしかやらない。書いてあることでもやらない。市長は経営者の立場で取り組んでほしい。高齢者向けの無料ゴミ袋などは、ダイエットしている人の前にケーキを出すようなものだ」。
以上のような、熱く、充実した最終全体会議で幕を閉じ、町田市ごみゼロ市民会議の手によって報告「~もったいない精神で「ごみゼロまちだ」をつくろう~」が取りまとめられました。
報告の中身である6つの提言を最後に紹介したいと思います。
1.家庭生ごみの全量資源化を計画的に進める
2.プラスチックごみの減量、資源化は、できることから始める
3.発想の転換で、資源化の新しい広場・しくみをつくる
4.まず「ごみゼロ市役所」を実現する
5.見て、触れて、感じる環境教育を実践する
6.市民が市民に話しかける「ごみゼロの風」を継続する
この6項目の内容は、もう少し詳しく解説が付け加えられています。いずれも内容は具体的で明解です。役所の作文に見られるような、おざなり、あいまい、意味不明瞭なものは一つもありません。それが当然なんですが。
私が観察できたのは最後の取りまとめ段階でしたが、主体的積極的な市民参加の素晴らしい事例を見せていただくことができて、大変参考になりました。この「計画策定段階」での市民参加が、「政策・施策の立案段階」そして「実践段階」につながっていき、最終的に「成果」が十分に出て、市民生活や行政の改善をもたらすかどうか、引き続き関心を持って見守っていきたいと思います。


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