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2007年11月21日 (水)

川崎市議会の委員会傍聴記

 8月の某日、地元川崎市の市議会総務委員会というものを傍聴してきました。ほとんど物好きの領域ですが、地方議会の相場観を養うための見聞です。
 10時開会だったが、9:45に議会事務局に出向き、傍聴を申し出たところ、女性職員が空いている会議室に案内してくれました。そこで職員から指示されて傍聴券に住所、氏名、年齢を記入し、半券を渡されました。その際、予定の所要時間を尋ねると3時間くらいだとのこと。11:40くらいに退室したい旨を申し出ると、静かに退室すればそれで構いませんとのこと。職員は会議室を出るときに部屋の入口に「総務委員会傍聴人控室」の札を下げていきました。
 10:05になって、「(委員長の)許可が下りましたのでご案内します」と言われて委員会室に案内され、指示された傍聴席に座りました。傍聴者には議事次第や配付資料が提供されなかったので、職員に頂けないのかと聞いてみましたが、「お渡ししてない形になっていますので」との返事。
  ここまでのところの感想ですが、形式的に、制度として傍聴できることとしているものの、是非多くの市民に傍聴してほしいという姿勢や、来た市民を歓迎する姿勢は全く見られませんでしたね(まあ、どこの地方議会でも同じだと思いますが)。
 さて、委員会室では、委員は12名、市当局は12名で、さらに5名の関係職員が窓際に座っていました。反対側にはマスコミらしき人が2名。奥の委員長席から見て当面うしろが傍聴席であり、長椅子3本が2列、そこにひとりで座りました。
 最初の報告事項は「川崎再生フロンティアプラン新実行計画(2008~2010年度)素案策定資料について」と「新総合計画「川崎再生フロンティアプラン」平成18年度進捗状況について」。まず総合企画局長が挨拶に立ちましたが、すぐ課長から説明させますと言って着席しました。続いて、企画調整課長が資料の説明を始めました。
 説明が終わり、委員長が「質疑をお願いします」と発言。ところが、誰も手を上げません。1分以上、沈黙が続きました。さすがに「質問がなければこの議題については終わります」となるかと思った頃、ようやく手が挙がり、その後ぞろぞろと質問が続きました。
 質問の中身は、なんとなく立派なことを言っているですが、もしこれが職員同士のやり取りだったら、「あんたの言っていることは漠然としてよく分からないよ。要するに何を聞きたいの?具体的に言ってよ」などと言われそうな内容ばかりでした。答弁する方も議員をヨイショして、「重要なポイントだと思う。ご指摘を踏まえて今後取り組みたい」などと答えているのは、県議会でも国会でも似たようなものです。まあ、要するに議員も勉強、検討が足りない(欠けている?)から、毒にも薬にもならないような、突っ込みの足りない(的外れな)ことしか言えないのでしょうね。
 白熱しない議論の途中でしたが、残念ながら予定していた時間がきてしまったので、静かに退室して、そのまま帰りました。一つの見聞ではありましたが、「まあ、どこの地方議会も同じだな」と納得した貴重な?経験でした。

2007年7月11日 (水)

統一地方選で当選した地方議員の声

 平成19年5月のある日、一新塾というNPO法人の政策学校(注)において、この塾の出身者で、先月行われた統一地方選で晴れて当選した方が10名余り出席してのシンポジウムが開かれました。私は地方議員を目指す意思はまったくありませんが、地方自治の重要な一翼を担う地方議会について関心を持っていますので、地方議員の生の声を聞くことに興味を持ち、参加してみました。なお、この統一地方選で一新塾出身者は全部で49名立候補し、36名が当選しているそうです(なかなかの確率ですね)。なお、この中に三重県内の議員さんはいらっしゃいません。
 この日は、統一地方選をどう戦ったか?」「議員として今後どんな活動に取り組んでいくか?」「一新塾生へのメッセージ」という3つのテーマが設定され、出席議員が順次発言したあと、会場との間で質疑応答、意見交換が行われました。一新塾の現役塾生の多くは地方議会の議員を目指しているので、当然、このようなテーマが時宜を得ているわけですね。
 発言や質疑応答は、非常に高邁な理想論を語る話もあれば、街頭演説のやり方など実践的?な話もあり、多種多彩でした。
最初のテーマ「統一地方選をどう戦ったか?」では、初当選の方からは初々しい試行錯誤の体験談が、そして再選、再々選のベテラン議員らは自信や確信に満ちた経験談や新人へのアドバイス・コメントが報告されました。駅前やショッピングセンターでの街頭演説については、「市民は聞いていないようで聞いているから、話す中身は大事だ」という意見があれば、「大事なのは中身ではないが、聞いた市民が「なかなかいいこと言ってたよ」とクチコミで伝わることが効果的だ」という意見もありました。ベテラン議員からは、例えば教育問題について話しながら「このアンポンタン教師!」などと大声で叫んでみると市民の耳を引くので効果的だ、といった演説のコツが披露されました。この場でのしゃべり方を聞いても、演説の旨い・下手が伺われました。再選された某川口市議は、毎朝6時から9時まで駅立ち演説をして(その他にチラシ10万枚、戸別訪問1万軒なども)、前回の3,000票から今回は6,900票に倍増させたと自慢していましたが、果たしてそれが現職議員が多大な時間とエネルギーを投入してやることなのか?と疑問を感じました。政策学校出身の割には政策で勝負してないように思われた次第です。ま、価値観の問題かもしれませんが。
 この日の出席議員を見ると、政党や組織に依存した選挙をしている人はおらず、一人で頑張ったり、不正追求型で頑張ったり、普通の選挙活動を一切しなかったり、独自の闘いをしているタイプが多いので、皆さん選挙で勝つという点では決して楽ではないようです。
 最後に一人だけ、議員をご紹介したいと思います。東京の大田区議会議員犬伏秀一さんという方です。1回落選の後、今年3回目の当選を果たした方ですが、なかなか鋭い追求を連発し、8年間で50億円もの削減をしたとのこと(本人談)。ユニークなのは、新聞紙大のマニフェストで、本人曰く、日本一大きなマニフェストだそうです。かつて小沢一郎党首の自由党に所属し、現在も一人だけで自由党を名乗っているとか。役所や議員からは嫌がられる活動が多いようですが、公費の節減や悪しき慣習の廃止などを次々と実現させ、また、地域住民のためになること(例えば町会会館の建設への補助金の獲得など)をしており、見上げたものだと思います。大田区での選挙権を持っていなし具体的な応援はたぶんできないでしょうが、秘かに拍手喝采を送り、心からご活躍を応援したいと思います。もしよければホームページをご覧下さい。
http://www.f3.dion.ne.jp/~inubushi/
(注)一新塾
 1994年に大前研一氏が設置。その後、2003年にはNPO法人格を取得し、現在までに2,600名以上の卒塾生を排出している。必ずしも政治家志望の若手を育成することだけが目的ではなく、休日に地域活動に邁進する人、議員になった人、NPOや問題解決ビジネスの起業をした人など、卒塾生は様々なフィールドで活躍している。塾生以外の人間も参加できる公開講座を結構頻繁に開催しており、私も興味のあるテーマ・講師であって、可能な場合は参加させて頂いている。

2007年2月24日 (土)

某市の市議会の委員会を傍聴して

 少し前になりますが、首都圏のある県庁所在都市に行く機会があり、そのついでに市議会の委員会を傍聴してきました。縁もゆかりもない市ですので、本来は傍聴する所以もないのですが、地方自治に関心を持つ者としてはなかなか得難い機会でした。(議会事務局も議員さんたちも突然の傍聴者に驚いたことと思います。しかも、市外、県外からですから。)
 その日は、閉会中でしたが、市民生活・安全対策特別委員会都市総合対策特別委員会が開催されました。いずれも、この2年間(あるいは1年間)委員会として行ってきた調査研究の成果を2月議会において報告する、その委員長報告に向けての意見集約が議題でした。従って、議案の審議でも一般質疑でもないので、担当部局の職員が同席せず、委員(市議)だけによる会議である点がやや珍しかったとも言えます。事前に議題が示されていたようで、議員ごと、あるいは会派ごとに意見が整理されて今日の委員会に臨んでいるという建て前になっていました。
 市民生活・安全対策特別委員会の議題は「市の危機管理体制について」「市の防災対策について」「市の防犯対策について」「学校安全対策について」の4件であり、都市総合対策特別委員会の議題は「○○田圃の活用について」「総合的な交通網整備について」「都市基盤整備について」の3件でした。いずれも重要で大きなテーマですので、2年間あるいは1年間にわたってどのような充実した「調査」が行われてきたのだろうと興味深く傍聴しました。
 委員長が1番目の議題を取り上げ、各委員の発言を促すと、ぼつぼつと発言がありました(以下は、市民生活・安全対策特別委員会での発言要旨です)。
○2年前の入り口論で整理が不十分だった。個人的にはもっと重点的に議論したかった。
○委員会についての感想だが、現地視察は企画も準備も素晴らしかった。委員長に感謝したい。委員同士での議論をもっとすべきだったし、委員会としての提案をする機会が何かあればよかった。どこかに絞った議論をした方がよかった。
○初めての委員会だったが、正副委員長の運営は素晴らしかった。特に視察はよかった。危機管理と言っても、議員が地域に帰っての心構えが準備できていない。この点については、是非次に申し送りをしてほしい。
○委員会で何をやるのか当初は不明確だったが徐々に明確になっていった。正副委員長のご尽力に感謝したい。防犯意識の高まりについて、議会として行政としてどう醸成し、対応を示していくかが課題だと考える。
○内容が多岐にわたるので、1年や2年議論しても尽きない。従って、この委員会は継続をすべき。議員は地域の代表だから、マニュアルを作って熟読する必要がある。

 発言が一段落したので、委員長が「では2番目の議題に移ります。ご発言をお願いします」と議事進行すると、何人かの委員から「全体について議論したから、もういいんじゃないか」との声がありました。1番目の議題に対する発言を見れば分かりますが、具体的な内容に踏み込んだ発言はほとんどありません。ほとんどが委員会での活動に関する感想や反省に終始しています。ですから、次の議題に移っても同じようなことしか言えないので「もういいんじゃないか」という発言が出たものと思われます。委員長が「いや、この4つの議題について意見を集約するから整理して来て下さい、とお願いしたはずです」と仕切り、順次発言を促します。こんな調子で4つのテーマに関する議論ができるのかな?と思いましたが、何とか最後までいきました。
 後半の都市総合対策特別委員会での主なやり取りは次のようなものでした(委員構成は異なります)。
○いきなりある委員が「この委員会では、意識的に地下鉄の議論を避けてきたのではないか?」と発言し、委員長が「そんなことはない。時間がなかった。ぜひ現地視察などをしたかったのだが…」と弁解。
○次に委員長が逆襲で?「3つのテーマを事前に送ったから意見を集約してきたものと思うが」と切り返すと、さっきの委員が「宙ぶらりんで何の成果も出ていない」と正直に?告白。委員長が「これで集結ではない。まずはこの1年間の成果について集約したい」とフォローしていました。
 委員長が水を向けて発言を呼び起こそうと思って「委員会視察で富山のLRTや金沢のバスを見てきたし、執行部の説明も聞いたと思うが」と言うと、某委員は「質問されても困る」と情けない反応。
 ある委員が「合併前は別の市だったので都市計画も別に作ったため、こちらは4車線だが向こうは2車線であり、急に車線が減ると渋滞して困る。現地をよく知らないが……」と発言すると、別の委員が「あそこはまだ計画段階だから、現場はそんなことになっていない(どちらも2車線だ)」と発言していました。おいおい地元の事情をちゃんと把握していないのかよぉ、しかもそれを発言するなよぉ、って感じでした。

 傍聴した全体の感想ですが、委員の発言は、大半が漠然とした感想に留まっており、若干内容に踏み込んだものでも、せいぜい大ざっぱで抽象的な「あるべき論」でしたから、はっきり言って素人の市民と何ら変わらないレベルだと思いました。2年間(あるいは1年間)「調査」してきたそうですが、深い見識、知識は全然感じられませんでしたね。もっと政策論、施策論に踏み込んで、現実の事業や取組みの実態を見据えた具体的な意見を出していかないと、議会の役割が果たされないのではないかと思いました。委員会としての成果を出そう、具体的な提案を出そうという気構えは誰も見せませんでした。これでは、来るべき2月議会の委員長報告とやらも中身が何もない、事務連絡のようなものになってしまうのではないでしょうか。
 2年間の活動報告としてこれをこのように盛り込むべきという発言が皆無でした。「○○について十分議論できなかった」という言い訳が多かったですが、「本気で議論しようとして、それでもできなかったの?」と聞きたくなりました。中には「いいこと言ってるな…」と感じる発言もありましたが、肝心の具体性がなく、「何とかしていかないと」で終わりでした。
 今日の委員会全体を概観してみると、まるで1回目の委員会のようだと言えそうでした。初めての会合でこれから2年間調査研究していくに当たってまずは自由発言を交換しましょうというのなら、この日のような議論はまあ活発な方と言えると思います。ですが、2年間の活動の集約だとすれば、そのような雰囲気は微塵も感じられませんでした。
 面白いなあと思ったのは、発言の一巡目では口が重く、「もう勘弁してくれ」という姿勢だったのが、他の人の発言を聞くにつれて思いつくこと・思い出すことが出てきたようで、徐々に徐々に発言が活発になっていったことです(とは言え、その内容は、2年間の成果ではなくて、その場で思いついたことをしゃべっただけ、というものでしたが)。
 しかし、報告書も作成しないで、一体どんな「成果」が出たというのだろう、というのが素朴な疑問です。このあと、議会事務局が魔法のように見栄えのする報告書を作成したかもしれませんが…。

 以上ですが、これはあくまである県庁所在都市(ちなみに政令指定都市)の2つの委員会におけるある日の雰囲気を伝えたものにすぎません。地方議会ごとに事情や実態は異なるでしょうから、一般にどうかということは軽々しく言えませんが、今まで見聞きしてきた私の経験と、巷間言われていることなどと重ね合わせると、「どこも大抵、まあこんなレベルなんだろうなぁ」という確信に近い印象を持ちました。
 議会は、議員は、もっと真摯に、真面目に、一生懸命に、勉強し、考え、知恵を出すべきです偉ぶっていても、立派なことをしゃべっても、今日のような姿を見れば、怠けていることが一目瞭然に分かります。有権者が見ていないからといって慢心してはいけません。有権者に接する時だけ取り繕っていてはいけません。世間の目と評価は益々厳しくなってきますよ。逆に言えば、頑張ればその姿勢が率直に評価されるようになるとも言えますが。
 最後に、矛先を変えて有権者の皆さん!皆さんの代表者である議員にしっかりと働いて成果を出してもらうよう、活動の様子に関心を持ち、意見・要望を投げかけ、そして、良い議員を精一杯応援してあげましょうよ。それが皆さんのために必ずなりますから。

2006年9月23日 (土)

川崎市議会と神奈川県議会を傍聴してきました

 私は本業が国家公務員であり、県庁への出向経験が二度あります。従って、地方議会というものは、委員会には頻繁に当局側で出席しましたので、よく知っています(土木委員会や県土整備委員会、決算委員会など)。本会議には出席したことはありませんが、雰囲気や様子はかなり分かっているつもりです。 市町村の議会については、旧津市の議事録を読んだこともあり、県議会とそんなに違うものでもないということは承知していますが、一度その雰囲気を直接体験してみようかと思い、この夏、我が地元でもある川崎市議会を傍聴してきました。

 感想を一言で言えば、「退屈極まりない!」。議員の質問は原稿を長々と読み上げるだけだし、答弁する側は市長をはじめ各部局長も、これまた、あらかじめ作り上げてある答弁書を棒読みするだけ。その「やり取り」が延々と続くだけなのです。質問しない議員、答弁のない部局長は、さぞかし退屈だろうと心から同情してしまいました(つまらない仕事ですな)。事前に質問通告することになっており、その通告もかなり綿密なものであるようで、答弁は漏れなく無駄なくよくできていました。答弁する際は必ず最初に「○○に関するお尋ねでございますが」と言うのが定番になっているようで、それが退屈さを増幅させていました。これは議論でも何でもなく、読み上げ合戦に過ぎませんでした。たまに事前通告していない質問をアドリブで追加した議員がいて、答弁する部長が「突然のご質問を頂き、ありがとうございます」と言いながら、実は自慢したいと思っていた実績を自説を交えながら答弁したときは、笑いが漏れたり、生身の質疑っぽくなり、雰囲気がよくなりましたが、それ以外は99%、退屈で無意味でした。

 蛇足ながら脱線しますが、私の本来の勤務先の先輩(実は津高校の出身)が川崎市の助役として出向してきており、任期切れを間近に控えこの日が最後の議会出席の日ということで、終了前に退任の挨拶をしていました。傍聴席がほとんどカラ状態だったので、ときどきこちらを見上げているように見える先輩に、きづかれてやしないかハラハラし、書類で顔を半分隠していました。

 さて、もう一つくらい傍聴してやろうと思い、今度は神奈川県議会に出かけてきました。9月21日(木)、この日は代表質問の二日目で、公明、自民、民主の3人の議員が質問に立ちました(全部は聞いていませんが)。主に答弁した松沢知事は、何回かセミナー等で講演を聴いていますが、いつも爽やかでよく通る声で好感が持てます。話も分かりやすく説得力があります(議員からはともかく、一般県民から見るとかなり好かれていると思います)。今日もそういう声でしたが、残念ながら答弁書の朗読だったので生の声というわけにはいきませんでした。

 代表質問ですからあまりキャッチボールはしないものなのかもしれませんが、一投目の質問が長いこと長いこと。2、30分かけて延々と質問を読み続けます。質問というよりほとんど演説に近い。しかし原稿の棒読みですから聞いている方は退屈です。それに対する答弁も、事前通告を受けて綿密に答弁書を作成しており、同様に棒読みです。決して、聞かれたことに受け答えするという「議論」ではありません。 2巡目の、いわゆる再質問では、お互いに原稿を離れてアドリブで質疑をしますが、それでも実際は1巡目の質疑を繰り返すような内容にとどまり、全然面白くありませんでした。何往復もするのなら双方の実力次第で面白い場面も出てくるのかもしれませんが、再質問を1往復して終わりでした。

 持ち時間の制限があるのでしょうから、本当に有効な主張をしたり意味ある答弁を引き出したいのであれば、一投目はもっと簡潔にポイントを押さえたスピーチにした上で、主張や提案を具体的に提示し、豊富な質問をぶつけた方がいいと思いますし、答弁を聞いて不満なところ、不足しているところ、気づいた新しい論点を再質問でさらに追求するスタイルでやれば、緊張感があって興味深い質疑になるんじゃないかと思います。ただし、それをやり切るには、相当勉強をしないと無理ですし、答弁を瞬時に理解し、次の攻め口を見つけていかないといけないので、高いディベート能力が求められるかと思います。レベルは人それぞれで構わないと思いますが、少なくともそういう心がけ、心構えで望まない限り、意味ある審議になっていかないと思います。現状では、質問すること(というより、与えられた質問の時間に「演説」をすること)が目的になってしまっている感じでした(ま、どこの議会でも同じようなものなのですが……)。 傍聴者は、数名しかいなかった川崎市議会に比べると、最初の質問者(公明党)のときには2、30名の傍聴者がいて、次の自民党の議員が質問したときは150名くらいいて大変盛況で、その熱心さ?に驚きました。神奈川県議会は多くの県民から関心を持たれているのか……と思いましたが、最後の民主党の議員になると傍聴者は数名に激減してしまったところをみると、純粋な傍聴者というより、議員や政党がそれぞれの支持者に呼び掛けて集めたのかも知れないと邪推してしまいました。質問が始まる前の時間に多くの議員がうしろの傍聴席を振り返り、しきりに知人と目で挨拶したり、他に知っている人は来ていないかと探したりしていたので、本当にそうなのかもしれません。夕方、近くのレストランかホテルで開催する「支持者との集い」とセットの傍聴なのかもしれません(ちょっと読み過ぎか?)。

 少ない傍聴体験だけで言い切ることはできないかもしれませんが、あえて言えば、国会でも県会でも市会でも、まあ「大差ない」「似たり寄ったり」という感じです。有権者の立場から聞きに行っても、こういうやり取りによって「暮らしよくなりそうだ」「地域が変わりそうだ」という予感がほとんどしません。厳しい言い方をすれば、一見質問のフリをした演説を堂々とこなすこと自体が目的化しており、本人以外にとっては「ほとんど意義を感じない」とさえ言えそうです。議会基本条例を制定した北海道の栗山町議会や、制定目指して取り組んでいる三重県議会などではそうじゃないのかもしれませんが。議会の意義低下が指摘されていますが、このような実態では反論しようがなく、本気で抜本的な議会改革に取り組まないと、行く末は非常に深刻だと感じました。

 蛇足ですが、2番目の質問者が質問の中で高校野球に触れて、早稲田実業の斉藤投手の熱投ぶりを語りながらさりげなく青いハンカチで顔の汗を拭いたのには、議会中の出席者が大いにウケました。毒気のない、ナイスなアイデアでした。

2006年6月28日 (水)

市議さんたちのホームページ開設事情

 今や、地方議会の議員さんも政策で勝負し、積極的に情報発信、アピールをしていく時代だと思います。その方法は様々に考えられ、駅前で街頭演説してもいいし、会報やチラシを配ってもいいし、ミニ集会や講演会を開催してもいいでしょう。そして、個人でホームページを開設するのも有効な方法の一つです。最近では、首長や国会議員だけでなく、地方議会の議員さんの多くも、ホームページを活用して情報発信をしています。神奈川県下自治体の有志の議員が合同で雑感ブログ「戦う地方議員の主張!!」を開設している例もあります。
 さて、合併後の津市議会には38名の議員さんがいますが、この中でホームページを開設している議員さんは何人いると思いますか?
 私が調べたところによると、5名の議員さんがホームページを開設していました。たった5名……。しかし、その中には、合併前の時点から内容の更新をしていないケース、具体的な主張や政策、活動記録が何も含まれていないケース、最近の情報は後援会総会の開催記録だけといったケースも見られました。失礼ながら、私が一応の合格レベルに達していると感じたのは一つだけでした。この方も頻繁に情報発信をしているというわけではありませんが、取り組もうとしている政策や考え方が示されているので、意気込みや人柄がそれなりに理解されます。
 こんな状況、ちょっと淋しいと思いませんか。必ずしもホームページを開設していないからダメだと決めつけるわけではありませんが、ちょっと少なすぎるような気がします。また、開設していても、貧弱だったり古い情報しか載っていなかったりすると、かえって逆効果ですよね。
 お金の掛からない方法でもあり、是非、もっと積極的にインターネットを活用して情報発信をしてもらいたいものだと思います。「ここらじゃあまりインターネットを見る人はいないから……」そんな言い訳が聞こえてきそう。でも、「鶏と卵」じゃないですが、最初からアクセス殺到しなくても、頑張っているうちに口コミなどで徐々に認知度が高まるかもしれません。若者の携帯電話も含めて考えると、既にインターネットは日常生活に相当普及しています。ですから、やってみなけりゃ始まりません(このブログだって同じようなものですもん)。
 なお、悪口を言うのが目的ではないですし、誤解を招いてもいけませんので、ここでは議員さんの個人名はすべて伏せさせて頂きました。

2006年1月10日 (火)

議会のあり方(その2.議会に期待すること)

「その1」の中で、地方分権時代においては、自律的な地方自治が求められるので、議決機関であり行政の監視機関である「議会」の役割は、以前よりずっと重要になっていることを書きました。そして、実態がそうになっているのか、という点について再確認が必要であることも指摘いたしました。
 10市町村の合併により大幅に議員の数が減りますが、我が地域、我がまちから選出される議員の数が減れば、地域の声が届きにくくなる、地域の利益が守られにくくなる、という心配をされる方が大勢いらっしゃると思います。それ自体は決して間違った認識ではなく、ご心配はごもっともだと思います。地域住民の声やニーズを行政に反映させることは議員の重要な務めの一つですからね。しかし、選挙区において当選したいがために有権者の利益保護ばかりを考えるのは、議員として大問題です。代議制ですから地域の声、地域の利益の代表という一面を持つことは当然としても、それと同時に、市政全般について大所高所から考え、首長や市当局をチェックし、指導することこそ、議員本来の最も重要な役割であるはずです。以前の機関委任事務主体の時代であれば、チェック機能をそれなりに果たしながら、利益の配分に関与して選挙区に有利な計らいを実現することに力を注いでも成り立ってきましたが、今や冒頭に申し上げたとおり、地方分権の時代、地方が自立して自己責任・自己決定で行くべき時代ですから、議会もそのつもりで重要な役割を果たして頂かなければなりません。
 議員定数が合併前の合計数に比べて大幅に減る以上、まさしく「少数精鋭」にならざるを得ません。地域バランスだけで選ばれる当選パターンは崩壊するでしょう。立候補者には、当選したら何をするのか、どういう人たちの利益を守るために働くのか、そういう政策公約を明示して頂き、有権者も厳しい目で選ばなくてはいけません。
 議会は合議制で多様な選出母体がもつ多元的な利益を反映しやすい、と言われます。(大統領のような)首長と違って、議員は一人で何でもこなせる訳ではありません。ですから、特に何に取り組むのか、どういう人たちの利益を守るために働くのか、そういうポイントを明確にするのが誠実なやり方だと思います。よく「活力ある明るいまちづくり、高齢者が安心して暮らせるまちづくり、若者が活き活きと………」と言った耳障りのいいキャッチフレーズだけを並べて、『私の公約、5つのまちづくり』などと掲げて選挙に出る候補がいますね。中身も曖昧だし、漠然と大きな課題で実現可能性も怪しい内容を平気で公約のように掲げることは無責任だと思います。そういう候補者を選ぶのは有権者も無責任です。
 年数回(合計70日程度)の議会に出てきて、年1回、本会議で質問する以外は本会議と委員会に出席するだけの議員には、「いらない!」と言いましょう。この人は何をやってくれるのか、どういう役割を果たしてくれるのか、よく見極めましょう。
 議員は、テーマを決めて必死に勉強し、地域の実情をこまめに調査し、市民の声をよく吸い上げ、その成果を政策提言、できれば条例提案をして頂きたいと思います。報酬と政務調査費はかなり潤沢にもらっているでしょう。時間はたっぷりあります。スタッフは少ないですが、市当局に堂々と協力を要請し、担当職員に分担してもらったり、市民や業界の方、外部の専門家とも一緒に取り組めばいいと思います。議員が本気になって取り組めば、市当局にはマネができない仕事がいっぱいできます。職員には、議員との付き合いをいやがり、議会を鬼門だと思わないで、有権者から選ばれた方として敬意を抱きながら、連携協力する姿勢を持ってほしいと思います。
 予算は首長が作成し、提案するものですが、議会も「もう一つの予算編成」に挑戦してみることを提案します。あらゆる施策には予算と人員の裏付けが必要となりますが、限られた予算とマンパワーをどのように配分するかを考えることは非常に勉強になります。どのような施策を企画立案して予算を張り付ければ最大の政策効果が出せるかについて本気で考えるには、現状を深く理解し、その問題点を正確に把握し、解決方法を見出し、施策の形に設計するというプロセスをこなさなければ無理です。手も汚れるし、汗も恥もいっぱい書きます。その先に「やるべきこと」があるのです。議会も、疑似体験で構わないので、予算編成にチャレンジして頂きたいと思います。そういう努力をした議員さんが、当局の提案を審査したり、政策提案をすると、極めて有効であり、迫力があると思われます。高見の見物のような立場から偉そうな批判や指摘をしたり、もっともらしい理屈をつけて要望めいたことを主張することは簡単ですが、実は役に立たないと思います。特に、財政規模が拡大せず、地方が自己責任でやっていくこれからの時代では、役に立たないどころか有害にすらなりかねません。
 38名の狭き定員を目指して、たくさんの候補者が立候補することでしょう。旧10市町村の元議員さんの中からも大勢出られることでしょう。「現役」の有利さはあると思いますが、議会の役割が様変わりしていることをよく認識して、自覚の上で臨んで頂きたいと思います。そして、多彩な新人候補、すなわち、意欲と行動力があり、斬新で柔軟な企画力・発想力を持った新しい人材にも、是非、新生「津市」のゼロからの出発に議員として参加してほしいと思います。

2006年1月 8日 (日)

議会のあり方(その1.これまでの議会)

 このブログの中では、「市民の皆さんへ」、「新しい市長に求めるもの」、「市役所職員への期待」というカテゴリーを設けています。もう一つ不可欠な関係者が「議会」です。市議会議員さんですね。市長選と同時に市議会議員選も行われ、新しい38名の議員が誕生します。

 ちなみに、旧10市町村における議員定数は、津市32,久居市20,河芸町18,芸濃町14,美里村12,安濃町16,香良洲町12,一志町14,白山町16,美杉村12の計166人でした。一気に4分の1弱となります。議員一人当たりの人口は1,726人から7,700人へと4.4倍になります。(青い部分は1/10に追加)

 議会の役割は重要です。特に、2000年(平成12年)に地方分権一括法が施行され、機関委任事務制度が全廃されましたが、これにより7割が自治事務化され、自治体の自己決定領域が飛躍的に拡大しましたので、議決機関、行政の監視機関としての議会の役割は極めて重要になりました。
 ちなみに、それ以前の地方議会というのは、首長の諮問機関的な色彩が強く、首長が提案する条例や予算は鵜呑みに近く、執行機関の活動をチェックするだけというところがかなり多かったのが実態です(注:旧10市町村の議会を名指しして言っているわけではありません。あくまで一般論です。念のため)。それでも済んできたんですね、今までは。地方分権一括法が施行されて既に5年が経過しました。その間に地方選挙も行われましたが、地方議会の議員さんたちの意識や活動が「地方分権」にふさわしい内容に切り替わってきたのか、有権者の皆さんはどのように受け止めていらっしゃいますか?
 私自身も、三重県ではありませんが、他の県に課長として出向した際に、当地の議員さんたちと中身の濃いお付き合いをさせて頂きましたので、少なくとも県議会議員についてはその実情、内情の一端を見てきました(市会議員も大差はないものと思っています)。志を高く持ち、常に謙虚で、使命感と向上心を持ち、任務に打ち込んでいる議員さんもいらしゃいました。心より尊敬出来る方で、そういう議員さんから持ちかけられた相談や提案には一生懸命応えたいと思ったものです。その一方で、支持者のご用聞きのようなことばかりして、役所の担当課に持ち込んでは特別な計らいを要求することを自分の役目だと考えている議員さんや、選挙区の公共事業に関する予算確保や工事促進、事業採択のための質問や要望ばかりする議員さんもいらっしゃいました。残念ながら前者は非常に少なく、どちらかというと後者のケースの方が多かったですが。総じて言えることは、本来、大所高所的な視点から行政のあるべき方向や姿を総合的に考え、首長や当局を指導したり監視する、そういう姿勢や意欲を持ってその役割を果たすのが議員の務めだと思いますが、(私の経験した範囲に限って言えば)そういった方は少なく、議員の平均像としては、情報量、知識、熱意、責任感、実際の行動力等において、職員レベルより見劣りすらしていたのが実情でした。おそらく、有権者も、マスコミも、世の中全体がそれを許してきたし、ご本人もそれでも十分勤まってきた、というのが実態なんでしょう。
 ずいぶん批判的だ、きつい言い方をする、とお感じになった方も多いかと思います。三重県や旧10市町村ではそんなことはない、もっとずっとよくやっていると反論されるかもしれません。そうかもしれませんね。いやきっとそうでしょう。そうでなくては困ります。私の経験が偏っているなら、ここでの文章は無視して頂けば結構かと思います。でも、私自身、心の片隅で、私の赴任したA県・B県と三重県がそんなに違うとも思いにくいなぁ、と思っているのも本当です。御免なさい。でもまあ、それが当たっているのか外れているのかをここで議論しても意味無いことです。大事なことは、まったく新しく選挙で選ばれ、発足する新生・津市議会が立派にその使命と役割を果たしてくれること。そのためにも、有権者の市民諸兄がしっかりとした選択をすることが何より重要です。もちろんその前に、立候補者が信念や公約を具体的、かつ詳細に有権者に対して説明・アピールすることが不可欠ですが。
 何だか厳しい批判的なスタンスで終始してしまいましたが、次の記事では、前向きに、議会という存在に何を期待すべきなのかについて、書いてみたいと思います。